腰痛診療ガイドライン2012(疫学編)

日本整形外科学会(日本腰痛学会)が実施している最新の「腰痛診療ガイドライン2012」についてお話しさせて頂きます。

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「腰痛診療ガイドライン2012(疫学編)」についてお話しさせて頂くのですが、その前に「エビデンス」という言葉があります。

エビデンスとは、証拠(しょうこ)・根拠(こんきょ)・証明(しょうめい)・検証結果(けんしょうけっか)などという意味ですが、医学においては、その治療法が選択されることの科学的な根拠・臨床(患者様に接して診察・治療を行うこと)的な裏づけをいいます。

エビデンスには、グレードA~Iという5段階評価というものがあります(以下参照)。

・グレードA ⇒ 行うよう強く推奨(すいしょう)する、強い根拠に基づいている
・グレードB ⇒ 行うよう推奨する、中等度の根拠に基づいている
・グレードC ⇒ 行うことを考慮してもよい、弱い根拠に基づいている
・グレードD ⇒ 推奨しない、否定する根拠がある
・グレードI ⇒ 診断基準を満たすエビデンスがない、あるいは複数のエビデンスがあるが結論が一様ではない

エビデンスは、患者様のデータ・比較試験などで詳細にだしていくものです。

しかし、100%という結果は存在しませんので、頭に入れておいてください。

 

では本題に入り、「腰痛診療ガイドライン2012(疫学編)」のエビデンスについてお話しさせて頂きます(下記を参照)。

 

Q1.腰痛と職業との間には関係があるか?

① 腰痛の訴える率は職業によって違いがある(グレードC(根拠が弱い))
② 腰への身体的な負荷が大きい作業は、腰痛発症の危険因子である(グレードB(中等度の根拠))
③ 職場における心理社会的因子(要するにストレス)は、腰痛の発症とその予後(よご ※病後の経過・結末)に影響を与える(グレードB(中等度の根拠))


Q2.腰痛は生活習慣と関係があるか?

④ 運動不足は腰痛発症の危険因子である(グレードC(根拠が弱い))
⑤ 喫煙は腰痛発症の危険因子である(グレードC(根拠が弱い))
⑥ BMI(肥満度指数)と腰痛の間には有意な相関はない(グレードC(根拠が弱い))


Q3.腰痛は心理社会的因子と関係があるか?

⑦ 腰痛の発症と治りづらさに心理社会的因子が関与している(グレードA(強い根拠))
⑧ 腰痛に精神的要因、とくにうつ状態が関与している(グレードB(中等度の根拠))


Q4.腰痛の自然経過はどのようであるか?

⑨ 腰痛の程度は発症後1ヶ月で急速に改善するが、約60%の患者さんは12ヶ月後も腰痛を有する(グレードC(根拠が弱い))
⑩ 腰痛の再発を経験する患者さんは約60%である(グレードC(根拠が弱い)
⑪ 心理社会的因子は腰痛の治りづらさの要因になる(グレードC(根拠が弱い))

 

腰痛の強いエビデンス(根拠)としては、現在もテレビやメディアでもいわれている「腰痛は心理社会的因子が深く関与している」というものです。

腰痛の心理社会的因子として、とくに仕事に対する満足度、仕事の単調さ、職場の人間関係、仕事量の多さ、精神的ストレス、および仕事に対する能力の自己評価の各項目は、将来の腰痛発症と強い関連があるといわれております。

また、腰痛の治りを阻害するものとして、仕事に対する満足の低さ、うつ状態、社交性の低さ、および恐怖回避信念(きょうふかいひしんねん)があげられております。

中等度のエビデンス(根拠)としては、「腰への身体的な負荷が大きい作業は腰痛になりやすい」ということです。

とくに、中腰作業や重量物を上げる作業は注意が腰痛の危険因子になりやすいということです。

その他は、必ずしも根拠があるとはいえない内容となっております。

以上です。

参考にして頂ければと思います。

 

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