腰痛診療ガイドライン2012(治療編②)

日本整形外科学会(日本腰痛学会)が実施している最新の「腰痛診療ガイドライン2012」についてお話しさせて頂きます。

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「腰痛診療ガイドライン2012」の「治療編②」についてお話しさせて頂くのですが、その前に「エビデンス」という言葉があります。

エビデンスとは、証拠(しょうこ)・根拠(こんきょ)・証明(しょうめい)・検証結果(けんしょうけっか)などという意味ですが、医学においては、その治療法が選択されることの科学的な根拠・臨床(患者様に接して診察・治療を行うこと)的な裏づけをいいます。

エビデンスには、グレードA~Iという5段階評価というものがあります(以下参照)。

・グレードA ⇒ 行うよう強く推奨(すいしょう)する、強い根拠に基づいている
・グレードB ⇒ 行うよう推奨する、中等度の根拠に基づいている
・グレードC ⇒ 行うことを考慮してもよい、弱い根拠に基づいている
・グレードD ⇒ 推奨しない、否定する根拠がある
・グレードI ⇒ 診断基準を満たすエビデンスがない、あるいは複数のエビデンスがあるが結論が一様ではない

エビデンスは、患者様のデータ・比較試験などで詳細にだしていくものです。

しかし、100%という結果は存在しませんので、頭に入れておいてください。

では本題に入り、「腰痛診療ガイドライン2012(治療編②)」のエビデンスについてお話しさせて頂きます(下記を参照)。

 

Q.腰痛に物理・装具療法は有効か?

① 温熱療法(温める治療)は、急性期(発症して4週未満)および亜急性期(発症して4週~3ヶ月)の腰痛に対して短期的には有効である(グレードB(中等度の根拠))

② 電気療法(電気での治療)が腰痛に対して有効か無効かは一定の結論に至っていない(グレードI(根拠がない))

③ 牽引療法(けんいんりょうほう)が腰痛に対して有効であるエビデンスは不足している(グレードI(根拠がない))

④ コルセットは腰痛に対する機能の改善に有効である(グレードB(中等度の根拠))

 

①に対して、急性腰痛に対する温める治療は治療開始後4日目の痛みを有意に改善するという根拠がありますが、温める治療だけでなく他の治療を併用した場合になります。

発症して3ヶ月以内の腰痛に対する温める治療は、運動療法と併用した場合、治療開始7日後の痛みの軽減と機能の改善を有意に認めたという報告があるそうです。

ちなみに慢性腰痛(発症して3ヶ月以上)に対する温める治療の効果は根拠がなく、また、アイシングなどの冷やす治療も腰痛に対して根拠がありません。

すなわち、3ヶ月以内の腰痛の場合、温める治療と他の治療を併用すると効果的といえます。

 

②に対して、電気治療は施行直後のみ痛みの軽減に有効であるが、3日後や1週間後には有意差はないという報告があるそうです。

すなわち、電気治療は持続的な効果がないといえます。

 

③に対して、牽引療法は腰痛・坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)の効果には一定の結論に至っていないのが現状です。

 

④に対して、コルセットは痛みの改善に関しては効果は認められず、機能の改善(体幹の安定など)には有効であるという報告があります。

慢性腰痛に対するコルセットは、痛み・機能の改善に効果が認められていません。

すなわち、コルセットは痛みの改善には効果が低く、身体を安定させるという機能的には効果があるといえます。

 

以上です。

参考にして頂ければと思います。

 

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