胃の痛みに対する鍼治療の効果
胃や十二指腸(じゅうにしちょう)、食道(しょくどう)などの上部消化管(じょうぶしょうかかん)の痛みは、「胃酸の分泌の亢進」によって起こります。
胃酸の分泌の亢進によって起こる痛みは疾患名でいいますと、上部消化管の癌(がん)、胃・十二指腸潰瘍(かいよう)、急性・慢性胃炎(いえん)、逆流性食道炎(ぎゃくりゅうせいしょくどうえん)などがあります。
この中で鍼治療(はりちりょう)の適応は、胃・十二指腸潰瘍の痛み(潰瘍の状態にもよりますが)、急性・慢性胃炎、逆流性食道炎などの機能的な障害(出来物が原因でない痛み)になります。
しかし、胃酸の分泌の亢進での痛みの中で「ピロリ菌」が原因の場合は、お薬でのピロリ菌除去の治療が必要になります。
したがって、鍼治療を行う前には必ず医療機関(消化器内科)への受診をして頂くことをおすすめします。
そもそも胃酸の分泌は、自律神経(じりつしんけい)でコントロールされています。
鍼治療の効果は、鍼刺激をすることで胃酸の分泌が亢進されているのを自律神経を介して抑制させるというものになります。
胃酸の分泌に対する鍼治療の研究報告があります。
十二指腸潰瘍の患者様に鍼での電気治療(鍼を刺したまま電気を流す治療)により、胃の痛みの消失と胃酸の分泌量が減少したということや、健常の人に対する研究では、足三里(あしさんり)というツボと胃兪(いゆ)というツボに鍼での電気治療を行い、胃酸の分泌量が減少したというものです。
また、足三里(あしさんり)と解渓(かいけい)というツボに鍼での電気治療を行い、胃酸の分泌量が減少したという研究結果も報告されております。
したがって、胃の痛み(胃酸の分泌の亢進)に対する鍼治療の効果は、上記の図のツボの鍼での電気治療が効果的といえます。
当院でもこのような科学的な根拠(エビデンス)に基づいての鍼治療を行っております。
ただ、絶対に効果があるというものではありません。
お薬で胃の痛みがなかなか取れないというお悩みの方は、是非一度、鍼治療を行ってみてはいかがですか!?
以上です。
参考にして頂ければと思います。