高血圧

日本の成人の3人に1人が発症されている「高血圧」は、生活習慣病のひとつとなります。

成人男性の約45%、成人女性の約35%が高血圧になっており、年齢とともに罹患率(りかんりつ)は上昇しています。

高血圧そのものには自覚症状がありませんが、心臓・血管の病気の危険因子となり、最悪の場合は生命の危険な状態になることもありますので、しっかり高血圧についての知識を身につけましょう!

 

高血圧とは、「複数回の各来院時に座って測定された血圧が、常に最高血圧(上)140以上、あるいは最低血圧(下)90以上である状態」とされています。

血圧には下記の表のように分類というものがあります(クリックしてください↓)。

 

皆さんの血圧の状態は、上記の表のどこに当てはまりましたか?

ちなみにⅠ度・Ⅱ度・Ⅲ度高血圧とありますが、重症度を表してます。

もちろん、Ⅲ度になると重症高血圧ということになります。

 

高血圧には、大きく分けて本態性高血圧(ほんたいせいこうけつあつ)二次性高血圧(にじせいこうけつあつ)の2つがあります。

本態性高血圧は、原因がない高血圧のことで、二次性高血圧は、何らかの原因がある高血圧(病気が原因の高血圧)のことです。

日本人の高血圧の約90%は、本態性高血圧です!

 

高血圧のメカニズムについてお話しします。

血圧は、体内の血管内に「血液を送るための圧力」「血管内の血液の流れやすさ」で決まります。

圧力を生み出す心臓のポンプ作用は「心拍出量(しんはくしゅつりょう)」と呼ばれ、動脈の血液の流れやすさは「末梢血管抵抗(まっしょうけっかんていこう)」と呼ばれます。

すなわち・・・

「血圧 = 心拍出量 × 末梢血管抵抗」

とあらわすことができ、血圧が高い状態とは、「心拍出量の増加」「末梢血管抵抗の増加」あるいはその両方が同時に起こることをいいます。

本態性高血圧の多くは、末梢血管抵抗の増加の傾向が多くみられるといわれており、これは、動脈硬化によって血管が細い状態になっていたり、血液がドロドロな状態となり流れにくくなってしまっていることなどが病態としてあげられています。

また、塩分の摂りすぎは高血圧の原因と聞いたことがあると思います。

これは、食塩にはナトリウムが含まれますが、ナトリウムは人間の体を維持するうえで重要な栄養素であり、常に一定量(0.9%)が体内を循環するように血液中の含有量と血圧が調整されています。

この調整を行っている器官が腎臓です。

腎臓は、血液の浄化の役割を持ち、血液中から水と老廃物を取り除きますが、過剰に水やナトリウムなどを排泄しないように、体内に再吸収する機能が備わっています。

腎臓が血圧の低下を感知すると、体内に水やナトリウムが不足していると判断し、排泄しようとしていた水やナトリウムを体内に再吸収するよう働くのですが、この機能が過剰に働いてしまうことが、本態性高血圧の原因のひとつに挙げられています。

つまり、体内へ過剰に摂取された塩分(ナトリウム)を適切に排泄できない状態となり、ナトリウムと水が体内に過剰となり、高血圧を引き起こすというわけです。

少々難しいお話しですが、結果、高血圧では、塩分制限をしなくてはいけない理由(尿量を増やすという理由も同じです)になります。

 

高血圧の原因として遺伝的要因(両親が高血圧)というものがありますが、「遺伝的要因+生活習慣」が合わさって高血圧になることが多いそうです。

遺伝的要因はどうすることができないのでお話ししませんが、生活習慣の改善はできることですので、お話しさせて頂きます。

高血圧の治療の基本は、生活習慣の改善になります。

では、どのように生活習慣の改善方法が良いかといいますと、最新の2014年高血圧診療ガイドラインでは・・・

 

・塩分の摂取を控える(1日6g以下)
・禁 煙
・アルコール摂取量の制限(1日30mℓ以下):ビール(720mℓ以下)、ワイン(300mℓ以下)、日本酒(男性1合、女性0.5合以下)、女性および体重の少ない男性は半分まで
・野菜・果物をしっかり摂取:腎臓の病気・肥満がある人は✖
・肥満の改善:BMIが25以下
・高脂血症の予防:コレステロール・飽和脂肪酸(ほうわしぼうさん)の摂取の制限をし、魚を積極的に摂る
・有酸素運動(ゆうさんそうんどう):毎日30~45分、早足の散歩・ジョギング・水泳などを行う(心臓・血管に病気がある人では✖)

 

が高血圧での生活習慣の改善方法になります。

また、病院での高血圧の治療はお薬になります。

高血圧のお薬の基本は、こちらも最新の2014年高血圧診療ガイドラインでは・・・

 

初診時に血圧が高い場合、日を変えて改めて血圧検査を行います(血圧は変動するため)。

並行して血圧のレベル、臓器の障害、合併症の危険因子を確認し、心臓・血管の病気のリスクを総合的に判断します。

初診時の血圧が最高血圧140~159/最低血圧90~99で、他の臓器の障害や合併症がみられない患者様を低リスク患者と分類します。

この場合は、食事や運動などの生活習慣の修正を行い、3ヶ月以内に血圧を再測定し、この間に血圧が正常値にもどることもありますが、最高血圧140/最低血圧90未満に下がらない場合は、3ヶ月以内にお薬の開始を考慮します。

初診時の血圧が最高血圧160/最低血圧100以上の場合(中等度のリスク)、1ヶ月以内に血圧が下がらない場合は、お薬の開始を考慮し、最高血圧180/最低血圧110以上の重症高血圧の場合(高リスク)は、直ちにお薬を開始します。

 

といったことになります。

ですので、まずは病院の先生に相談をして頂くことをおすすめします。

 

高血圧になると、心筋梗塞(しんきんこうそく)・脳梗塞(のうこうそく)・脳出血(のうしゅっけつ)・腎不全(じんふぜん)などの恐い病気になるリスクが高まりますので、しっかり治療・予防をしていく事が大事です。

高血圧は自覚症状がないだけに、怖い病気でもあります!

決して、放って置かないようにしてください!

以上です。

参考にして頂ければと思います。

 

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