膝のクッション(軟骨)が減っているからといって、痛みが出るとは限りません!
膝の痛みには様々なものがありますが、最も多いのは、高齢者に多く生じる「変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)」というものです。これは、長年の膝の使用、繰り返される膝への負担などによって、膝のクッションである関節軟骨がすり減ることで膝の痛みを起こし、ひどくなると膝がO脚の変形を起こすことがあります。
症状は、座って立ち上がった時の膝の痛み、歩き始めた時に膝が痛み(歩いている状態では痛くない)、膝を完全に伸ばしきれなくまた伸ばすと痛み、階段を下りた時の痛み、膝のひっかかり感、時には膝に水が溜まることもあります。
膝の関節軟骨(クッション)がすり減るからといって痛みが出るとは限らなく、その理由は、膝の関節軟骨には痛みを感じるセンサーがないからです。では膝の痛みはどこが起こしているかといいますと、痛みのセンサーがある膝の関節包(関節を包んでいる袋)、太ももの前にある筋肉(大腿四頭筋)のトリガーポイントが膝の痛みの原因のことが多いです。これらは、レントゲンやMRIの画像上には異常がでてきません。痛みのセンサーが酸欠状態になると痛みが出てきますので、酸素を行きやすくするために血流を良くすることが大事です。
膝の痛みには変形性膝関節症だけでなく、他にもあります。
・膝の外側に痛みがある
・ランナーに起こすことが多いので「ランナー膝(外側型)」と呼ばれることがある
・つま先を内側にして走ったり、歩いたりすると痛むことが多い
・腸脛靭帯は股関節から膝まであるので、膝だけでなく股関節まわりの施術をする
・膝の内側に痛みがある
・「ランナー膝(内側型)」とも呼ばれることがある
・つま先を外側にして走ったり、歩いたりすると痛むことが多い
・膝蓋腱炎は膝の前でお皿の下に痛みが、オスグット病はお皿の下にある骨(突起)に痛みがある
・膝蓋腱は太ももの前にある筋肉(大腿四頭筋)が膝のお皿を通り、脛骨粗面(けいこつそめん)といわれるスネの骨(突起)に付着し、そこが繰り返しの使用で筋肉が引っ張られることによって起こり、腱に痛みがあれば膝蓋腱炎、スネの骨(突起)に痛みがあればオスグット病になる
・オスグット病は12~13歳前後の骨の成長期の男子に多く、骨端症(こったんしょう)といわれる
・膝蓋腱炎は成長期を過ぎた男子に多く、バレーボールやバスケットボールの選手に起こりやすいことから「ジャンパー膝」とも呼ばれる
・膝の屈伸での痛み、痛い部分を押すと痛みが強くなる
・膝の靭帯には、膝の関節の中にある靭帯(前十字靭帯、後十字靭帯)、膝の内側にある靭帯(内側側副靭帯)、膝の外側にある靭帯(外側側副靭帯)がある
・日常生活やスポーツで膝を捻るなどの外傷を起こし、靭帯を傷めてしまう
・膝がガクっとなる(膝くずれ)、膝に水が溜まる、膝が腫れる、内出血、歩くのが困難などの症状を起こす
・初期は損傷の程度によって、テーピング、サポーター、包帯などの固定をする
・関節の中にある靭帯(前十字靭帯のみ)の損傷の場合、病院で手術になることが多い
・膝の大きなクッション(軟骨)である半月板を傷めてしまう
・外傷の場合、半月板だけでなく靭帯の損傷といっしょに起こすことが多い
・膝のひっかかり感、階段の上り下りでの痛み、膝のクリック音(関節に音が鳴る)などの症状を起こす
・半月板の損傷具合が大きいと、膝がロッキング(伸ばせなくなる)を起こすことがある
・半月板の傷ついている場所によっては病院で手術をすることもある
・膝のお皿の内側に痛みがある
・お皿の骨(膝蓋骨)と大腿骨の間で内側にある「滑膜ひだ」というものが挟まれて痛みを起こす
・膝のひっかかり感、膝の屈伸の途中で痛むなどの症状を起こす
・滑膜ひだの腫れ具合によっては、病院で関節鏡の手術をすることもある
当院では膝の痛みに対して、カウンセリングで膝の痛い場所を確認し、それに応じた検査をして痛みの原因を探ります。
また、膝の痛みが必ずしも膝にあるとは限りませんので、しっかり評価をしていきます。施術は、電気療法、トリガーポイントほぐし、鍼灸、関節モビライゼーション、ストレッチ、体操法、テーピングなど、患者様の状態に合わせて行っていきます。
膝に水が溜まっている場合は、膝の関節の膜に水を吸収させるためにアイシングと包帯をしていきます。
膝の痛みでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。