- Blog記事一覧 -バレーボールのクラムジー
私は自院とともに、小・中学生男子のバレーボールチームのアスレティックトレーナー(ケガや故障を管理するトレーナー)もしています。
小・中学生男子といえば成長期で、とくに骨の成長が盛んで身長が伸びていきます。そのため、骨の成長スピードよりも筋肉の成長スピードが追いついていかない状態になってしまい、クラムジーを引き起こしてしまう選手がいます。
高校生以降はクラムジーを起こすことはほとんどありません。
クラムジー(Clumsy)とは、「不器用、ぎこちない」という意味の英語で、 主にスポーツの世界で使われる通称です。 一般的に見られるのは、体の感覚の変化と柔軟性の低下です。 体の動きが鈍くなって今までできていたことができなくなる。
朝日新聞デジタルから引用
すなわち、骨の成長とともに筋肉の成長が追いつかず、筋肉が硬くなって柔軟性が低下し、また今までできた動きがうまくいかず、動きのキレが鈍くなってきてしまうのがクラムジーです。
最悪の場合、競技プレーのスランプ状態になってきます。
クラムジーは小・中学生のサッカー選手に多いといわれていますが、バレーボール選手にも多くいます。とくに身長が急激に伸びている選手に多い傾向です。
また、クラムジー期間は個人差がありますが、長い期間で1~2年続くともいわれています。
小・中学生のバレーボール選手についての症状または特徴は以下の通りとなります。
・ 股関節や膝関節が硬くなる
・ 脚に力が入りづらくなりジャンプ動作がしづらい、レシーブ動作で脚が踏ん張れない
・ ジャンプ力の低下
・ スパイク動作の時にボールを打つタイミングが合わない
・ バレーボールの全てのプレー動作がぎこちない
・ 本人は何が原因かわからなくなる
・ 今まで出来たプレーがうまくいかず、スランプ状態になりバレーボールへのモチベーション低下を起こしてしまう
・ クラムジーが軽度だとプレーのスランプ状態にならない子どももいる
硬くなった身体をほぐしたり、ストレッチしたりなど施術することは可能ですが、バレーボールのプレーに関しては、残念ながら今のところこれといった対処法は存在しません!
練習を重ねプレーの感覚、身体の使い方を身につけていくしか方法はありません(練習あるのみです)。もちろん、リコンディショニング(コンディションを整えるアスレティックリハビリテーション)をしていくことも必要です。
ただ、注意しなければいけないことが2点あります。
1つは、成長期の子どもは骨と筋肉の成長のアンバランスになっているため、練習のオーバーユース(身体の過剰負荷)は成長期特有のケガや故障を起こしやすくなりますので、練習量は考えなければなりません。
もう1つは、バレーボールのプレーへのスランプ状態になった時のモチベーションの低下です。今まで出来ていたプレーがうまくいかないということは、思春期の子どもにとっては精神的ダメージが強くなります。最悪の場合、バレーボールを辞めてしまう子どもいるので、メンタルケアが重要となります。
ケガや故障に対しては施術が必要で、メンタルケアに関しては方法は様々あるのですが、申し訳ありませんがここでは省略させて頂きます。
ご質問やお悩みのことがありましたら、お気軽にご相談頂ければと思います。
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