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腰椎分離症

2024.08.24 | Category: スポーツでのケガ,バレーボール

腰椎分離症とは

腰椎の後方部分に起こる疲労骨折のことで、成長期(小・中学生)のスポーツ選手に多く起こる疾患です。

一番下にある第5腰椎部に多く発生し、次いで第4腰椎部も発生しやすくなります。

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腰椎分離症が起こる要因

1回の外力で起こるわけではなく、スポーツ動作の中で繰り返しの負荷の蓄積で起こります。どのような負荷の蓄積かといいますと、スポーツ動作の中で腰を反ったり(後屈動作)・捻ったり(回旋動作)を繰り返すことで、腰椎の関節突起間部というところの骨に亀裂が生じて疲労骨折となります。

腰椎分離症 – McDavid|サポータ-ブランドのマクダビッド オフィシャルサイト
McDavidのサイトより

どのような成長期のスポーツ選手に起こる?

多くの場合、身体が硬いことが多く、太もも後ろの筋肉(ハムストリングス)や太もも前の筋肉(大腿四頭筋)の緊張があるため、骨盤や股関節の柔軟性が低下し、腰椎にかかる負担が強くなり疲労骨折が起こりやすくなります。また、背骨の胸椎という部分の柔軟性が低下しても起こりやすくなります。

どのような時に腰椎分離症を疑う?

これは医療系の施術者ではなく、スポーツ指導者の方や保護者の方が子どもが腰痛を訴えているときに参考にしてください。

成長期のスポーツ選手が2週間以上腰痛が続いている場合は、整形外科に行って精密検査を受けるようにしてください。

なぜならこれには医学的データがあり、2週間以上腰痛が続いた場合、小・中学生では40~50%、高校生では30%の確率で腰椎分離症であったという報告があるからです。つまり、とくにスポーツ時での小・中学生の腰痛のおよそ半分の確率は腰椎分離症の可能性が高いということがいえるからです。

病期の分類

腰椎分離症の病期分類とスポーツ復帰までの期間、治療戦略を紹介! 目指せスポーツドクター目指せスポーツドクター
目指せスポーツドクターのサイトより

上記のイラストを参照しながら解説していきます。腰椎分離症の病期分類では、初期 ⇒ 進行期 ⇒ 終末期 の流れの3つになります。初期の前に超初期という病期があるのですが、これはMRI検査でしかわかりません。今どの病期になっているかによって、今後のスポーツの対応が変わっていきます。

整形外科での腰椎分離症の精密検査は、MRIやCTでの画像検査で病期を判断していきます。最初はレントゲン検査を実施されることが多いと思いますが、レントゲン検査では初期がわかりづらいため、詳しい検査をする場合はMRIやCT検査を実施するということになります。もし、レントゲン検査で腰椎分離症が判明した場合は、進行期になっている可能性が高くなります。

症 状

腰椎分離症の主症状は腰痛になります。腰を反ったり(後屈)・捻ったり(回旋)すると腰痛が強くなるのが特徴です。腰痛がひどくなると前かがみ(前屈)でも痛みが出ます。

骨が未成熟(とくに小学生)であるほど腰椎分離だけでなく、椎体といわれる部分がすべって進行してしまい、腰椎分離すべり症になりやすくなることが医学的にわかっています。腰椎分離すべり症を起こしてしまうと、腰痛だけでなく、足の痛みやしびれなどの神経症状を起こすことがあります。

腰椎分離症|【公式】はしもと接骨院|ハイボルト療法発祥の接骨院
はしもと接骨院のサイトより

基本的な施術方針

一般的には、一定期間のスポーツ休止をして安静をはかり、硬いコルセット(硬性コルセット)を装着して日常生活を過ごし、骨がくっつく(骨癒合)のを待ちます。あるいは、腰痛がなく日常生活とスポーツ活動ができれば腰椎分離症の施術は終了となります。ただ、最終的に日常生活やスポーツ活動に支障が出る場合は手術も検討されることがあります。

施術の最終ゴールは、①骨癒合したとき、②腰痛がなく日常生活とスポーツ活動ができる ことです。一般的に腰椎分離症の初期・進行期は骨癒合する可能性があるため①が施術方針となります。終末期は骨癒合する可能性がないため②が施術方針となります。

一般的に、腰椎分離症の初期では骨癒合率が高いため約3ヶ月のスポーツ休止となり、進行期では骨癒合率が約30~60%で約4~6ヶ月のスポーツ休止となり、終末期では骨癒合率が0%で腰痛が軽減すればスポーツ復帰となります。

腰椎分離症の最新知見

成長期のスポーツ選手が約3~6ヶ月のスポーツ休止となった場合、スポーツに対するモチベーションの低下が起こり、最悪はケガで競技を辞めてしまうことに繋がります。そういった意味もあり近年、新たな施術方針が腰痛学会で発表されました。

腰椎分離症の初期・進行期では、腰痛がある場合は腰痛が軽減するまでスポーツ休止をします。通常は約3週間ぐらいで腰痛が軽減していきますので、腰痛が軽減したら、下半身のストレッチ、体幹トレーニングなど、硬いコルセットをして、腰を反ったり、捻ったりをしないようにできる範囲で競技プレーの練習をしていきます(スポーツ完全復帰ではありません)。この時におそらく整形外科で1ヶ月に1回、定期的に骨癒合の状態を画像検査で評価をしていき、状態を確認しながらスポーツリハビリをして、骨癒合していればスポーツ完全復帰となります。

腰椎分離症の終末期では、骨癒合が期待できないため腰痛がなければスポーツを完全復帰させます。スポーツしながら腰痛があるときは、施術やリハビリなどでコントロールをしていきます。

ただし、これは中学生の話しになるので、小学生の場合は無理させてしまうと腰椎分離すべり症になってしまう恐れがあるため、小学生では保護者と相談して判断したほうがいいと思います。

ちなみに私の場合、小学生には無理させません!

以上です。


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