- Blog記事一覧 -肩甲上神経障害(肩甲上神経麻痺)
肩が痛い、肩がだるい、肩が上げづらいなどを訴えることがある1つに肩甲上神経障害というものがあります。肩甲上神経障害は肩甲上神経麻痺といわれることもあり、オーバーヘッド動作(腕を上げた状態で回す動作)をするスポーツに多い障害です。
とくにスポーツ動作では、バレーボールのスパイクやジャンプサーブでの繰り返しの負荷、野球の投球動作での繰り返しの負荷で起こりやすくなります。
年代では、大学生以上に多いのが個人的な印象です。
私はバレーボールをやっていて、21歳の時にジャンプサーブを打った瞬間に右肩が痛くなり、その後バレーボールでスパイクを打つたびに右肩が痛くなっていました。26歳から右肩が痛くなるため、バレーボールをやらなくなりましたが、私が肩甲上神経障害ということをつい最近知りました!また、「バレーボールショルダー」といわれることについてもつい最近知りました。
以前までは、肩甲上神経障害という疾患はあまり知られてなく、スポーツ医学が進歩するにつれて明らかになってきたと思われます。
肩甲上神経の通り道である肩甲骨の肩甲切痕または棘窩切痕という場所で、絞扼(締めつけられる)、圧迫されて肩の痛み、腕のだるさ・棘下筋の筋力低下を起こしてまう疾患です。
肩甲上神経障害では棘下筋の筋力低下を起こすため、肩関節を支えている筋群(インナーマッスル)である4つの腱板(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)の筋バランスが崩れてしまい、腕を水平以上に上げたときに上腕骨と肩甲骨とで挟まれ衝突される現象が起きてしまい、肩に痛みを起こしてしまうことがあります。この現象を肩インピンジメント症候群といいます。
棘下筋や棘上筋に対してEMSという電気療法をして筋力を維持させていきます。また、鍼に電気を流す鍼通電療法も1つの方法です。
アスレティックリハビリテーション(略すとアスリハ)でチューブを使った肩のインナーマッスルエクササイズや、肩甲骨まわりの動きを高めるエクササイズを行っていきます。
肩甲上神経障害は、回復するのに6ヶ月~1年ぐらいかかってしまうことがあるので長期を要します。もしくは、スポーツをするたびに慢性的な経過をたどることも多い疾患です。
本格的にスポーツをしているアスリートでは、6ヶ月経過して症状に変化がない場合は、手術も考慮します。その場合は、肩専門の整形外科に通院することをおすすめします。